のび太「羽生蛇村?」一章
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のび太「羽生蛇村?」二章
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のび太「羽生蛇村?」三章
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のび太「羽生蛇村?」四章
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のび太「羽生蛇村?」五章
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332 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/07(木) 18:17:57.24 ID:xSBPy5VB0
【野比のび太 第3日/0:00:00 屍人ノ巣 水鏡】
幾つもの道を越えて。
幾つもの苦難を越えて。
のび太達は屍人ノ巣の最深部へとやってきた。
そこでは、八尾 比沙子が丁度儀式を終えたところだった。
八尾「ちょっと遅かったわね。今儀式は終わった所よ」
冷酷に伝えながら、美耶子を睨む。
八尾「あんたが余計な事をしなければ、儀式は速やかに終わったのに・・・」
美耶子「誰がお前の思い通りになんかなってやるもんか!」
八尾「まあ、それももういいわ。堕辰子様は復活なされたのだから」
微笑む八尾の言葉に重なるように、広間の中央にあるガラスのような物体に横たわっていた人が燃え上がる。
???「亜矢子!!」
334 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/07(木) 18:23:10.11 ID:xSBPy5VB0
八尾の後ろに佇んでいた男が声をあげる。
その声に反応すること無く人は燃え上がり、その焔の先から何か物体が現れ始めた。
八尾「ああ・・・・・堕辰子様・・・・・・」
光悦とした表情で八尾が呟く。
堕辰子「ギッィギィ!!ウイッ!ギュウウウ!!」
堕辰子と呼ばれた存在が徐々に形を作り出し、完成していく。
須田「な、なんだアイツ・・・・」
高遠「なにあれ・・・・」
異形蠢く村を進んできたのび太達ですらも、異常だと思える生物がそこに誕生した。
堕辰子「ギュウウウウウウウウウ!!!」
八尾「どうしたの?罪は洗い流されたのでは・・・・?」
堕辰子が暴れ、もがく。
まるで理性がないかのように。
八尾「そんな、復活は完全ではなかったというの・・・・?」
338 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/07(木) 18:32:44.18 ID:xSBPy5VB0
困惑する八尾の仮説を証明するかのように、堕辰子が暴れ狂う。
???「ぐわあああああ!!!」ドシャア!!
堕辰子の突進を受け、八尾の後ろに居た男が壁に叩きつけられる。
高遠「逃げましょう!」
高遠の声を皮切りに、全員で逃げていく。
勝てない。
誰もが直感的にそう思った。
堕辰子「キュウェ!!グググググッ!!」
そんなのび太達を追い詰めるかのように、堕辰子が行く手をふさぐ。
のび太「くらえっ!!」
バシュンバシュン!
ショックガンを二発立て続けに撃ち込む。
だが堕辰子には効いた様子もなく、一瞬の隙を作ることも出来なかった。
美耶子「ダメだ、そんなものじゃ傷つけられない!」
337 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/07(木) 18:29:46.25 ID:xgzvRx8+0
あれ?須田はもう不老不死?
>>337血の契約をしたのは第2日の0次23分36秒の時点なんでしてます
341 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/07(木) 18:38:56.52 ID:xSBPy5VB0
須田「くっ・・・どうすれば・・・・」
のび太(このままじゃ・・・・皆やられちゃうよ!!)
ショックガンが聞かなかったという事は、名刀“電光丸”も効果は薄いだろう。
他に持っている物は無く、頼れる物は無い。
唯一つあるとすれば。
のび太「・・・・・・・・」
無理やりにでも、頼れるものを作り出そうとするならば。
のび太「・・・・・・・」
頼れるものは、一つだけあった。
のび太「ドラえもーーーーーーーーーーーーーーーーーーんっっ!!!」
助けを呼ぶ、声だけが。
343 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/07(木) 18:40:42.18 ID:xSBPy5VB0
その声は、どこまで響いたのだろうか?
その空間だけ?
屍人の巣の中だけ?
羽生蛇村の中だけ?
それが分かる者はいない。
ただ、その声はしっかりと役目を果たすことが出来た。
助けを呼ぶ声を、伝えることが出来た。
ドラえもん「のび太くーーーーーーーーーーーーーーんっ!!!」
遠くから、声が返ってくる。
その声はどんどん近付いてきて―――――――――――
―――――――――――ついに、会えた。
345 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/07(木) 18:42:30.12 ID:xSBPy5VB0
ドラえもん「のび太くんっ!!」
堕辰子を挟んだ向こう側に、ドラえもんとジャイアン、それに2人の男女が見えた。
のび太「ドラえもん、ジャイアン!!」
ジャイアン「なんだコイツはぁ!?」
のび太「堕辰子って言って、ショックガンが効かない化けものなんだ!
なんとかしてよドラえもん!」
ドラえもん「んん、化けもの相手かぁ・・・・
なんかないかなんかないかなんかないか」
死に未だ機能を回復していないポケットを探るドラえもん。
ドラえもん「なんかないかなんかないか・・・・・・あ、これならどうだっ!」
ドラえもんが取り出したのは細いステッキだった。
須田「なんかポケットから取り出したぞっ」
のび太「ドラえもんはポケットから何でも取り出せるんだけど・・・・
そんなもの出しても意味無いよ!」
346 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/07(木) 18:43:19.71 ID:xSBPy5VB0
頼りないステッキ。
傍から見ればただの棒だ。
堕辰子「グイッキュウ!!」
堕辰子すらも笑っているように見えた。
そんなもので何が出来るのかと。
それが普通のステッキならば、何もできなかっただろう。
それが秘密道具の『神様ステッキ』でなかったのなら。
ドラえもん「皆、目をつむってね!
光を最大にして攻撃だあぁぁぁぁぁ!!!!」
ピッカーーーーーーー!!!
辺り一面が眩い光に包まれる。
限りなく太陽と同じ様に作られた光。
全てを照らす光。
349 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/07(木) 18:45:58.24 ID:xSBPy5VB0
その光は、現世の攻撃など受け付けない堕辰子の体を焼き、致命的なダメージを与えた。
堕辰子「ギュウウウウウウウウエエエエエエエエエエエエエ!!!!」ジタバタジタバタッ
もがきながら光から逃げようとする堕辰子。
しかし、室内をいっぱいに照らす聖なる光から身を避ける事は出来なかった。
堕辰子「ギュウウウウウアアアアアアアアアアアアア!!!」ドプンッ
出てきた場所である、部屋の中央のガラスのような場所へと入っていく堕辰子。
ドラえもん「逃がさないぞ!」
唯一目を開けていられるドラえもんだけが追撃をかけようとするが、どうやってもガラスの中へは入れなかった。
ドラえもん「あ、ステッキの電池が!」
入る方法を模索していくうちにステッキの電気が切れて、輝きが失われる。
ピカーーーーーーーー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ブツンッ
光は失われ、辺りはまた薄暗い元の状態に戻ってしまった。
350 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/07(木) 18:47:20.66 ID:xSBPy5VB0
八尾「よくも・・・・よくも堕辰子様を・・・・・」ドプン
ふらふらとよろけりながら、八尾もガラスの中へと入っていく。
ジャイアン「にゃろう!待ちやがれ!!」ブンッ
慌てて追いかけてバットを振るも、ガラスには傷一つ付けることが出来なかった。
のび太「どうやって、この中に入ったんだろう・・・・」
こんこんと紅い水を湛えるガラスを触ってみるも、人が入れるような感じは一切なかった。
美耶子「多分、この中に入るには堕辰子の血が必要なんだと思う」
美耶子が同じ様にガラスに触れながら言った。
志村「堕辰子の血・・・?」
美耶子「あの生き物の生贄か、あの生き物の血だ」
高遠「でも、あの化け物は逃げちゃったし、生贄・・・ここに居た子なら、消えてしまったわ」
美耶子「そうだ。だから、多分この中にはもう入れない」
353 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/07(木) 18:55:35.49 ID:xSBPy5VB0
ジャイアン「なんだってんだよ!それじゃあ追い込んだのにダメじゃねえか!」
のび太「何か他に方法は無いのかな?」
美耶子「あればやっている!」
須田「どうするかなぁ・・・・」
全員が全員、途方に暮れてしまった。
ここまで来て、追う術が無くなってしまうとは。
そこへ、更に2人の訪問者が現れた。
しずか「あら、そこに居るのは・・・・・のび太さん!?」
のび太「しずかちゃん!!」
しずかちゃんも無事だったんだ。
喜びと共に、再開を喜びあうドラえもんとのび太とジャイアンとしずか。
しずかにも状況を話し、どうすればいいか打開策を聞いてみる。
しずか「抜け穴フープを使えばいいんじゃないかしら」
しずかが、おずおずという。
354 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/07(木) 18:56:12.44 ID:xSBPy5VB0
抜け穴フープ。
かつてしずかがブリキの世界を冒険していた時に使ったフープ。
壁などにつければ、思い通りの場所へ通してくれるフープ。
ドラえもん「その手が有ったかぁ!」
ポンと手をならし、ポケットを探る。
取り出せてくれ。
4人はそう思いながらドラえもんの手の先をじっと見つめる。
須田達も、意味がわからないながらも状況を打開してくれるかもしれない不思議な青い生き物の手先をじっと見つける。
程無くして、ドラえもんが笑顔になった。
ドラえもん「抜け穴フープ~!」
のび太「やったあ!とり出せたんだね!!」
ジャイアン「あとは誰が行くか、だな」
356 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/07(木) 18:57:56.00 ID:xSBPy5VB0
須田「俺は行くよ!」
美耶子「恭也が行くなら、私も行く」
美浜「私はヤバそうだからパス・・・」
志村「俺はここで残ろう。屍人が来て誰も身を守れるものがいないのはこまるだろうしな」
しずか「私も行くわ!」
のび太「しずかちゃんはここに残ってて!」
しずか「いやよ、私も戦う!」
のび太「ここから先はなにかがあるかわからないんだ。そんな所に、しずかちゃんをいかせるわけにはいかない」
しずか「私だってここまで来たのよ!」
ジャイアン「しずかちゃん、のび太の言う事を聞いてやれよ!」
しずか「でもぉ・・・・・」
のび太「大丈夫、ちゃんとかえってくるさ!」
しずか「・・・・・約束よ」
のび太「うん!」
高遠「私はこっちで待っているわ。正直行っても足手まといにしかなりそうもないから・・・」
357 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/07(木) 18:58:31.04 ID:rOxlJ/3m0
通り抜けフープじゃね
>>357ブリキの迷宮でしずかが使ったぬけ穴フープを採用しています
通り抜けフープだとちょっと違う事になってしまうので
358 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/07(木) 19:01:09.81 ID:xSBPy5VB0
ドラえもん「じゃあ行くメンバーは、須田さん、美耶子さん、のび太君、ジャイアン、それに僕でいいね?」
のび太「待った!」
ドラえもん「?」
のび太「ドラえもんも、ここに居て」
ドラえもん「どうしてだい?」
のび太「こっちに残る人達の中で抜け穴フープの使い方を知っているのはしずかちゃんだけなのは心配だよ。
それに、ドラえもんがいなかったら、もし向こう側で堕辰子を逃がしちゃったときどうしようもなくなっちゃうでしょ?」
ドラえもん「それは・・・そうだけど・・・・」
のび太「あと、スネオの事を探してあげて欲しい。
向こうじゃ、落ち着いて探査道具も出せないでしょ?」
ドラえもん「・・・・・・そうだね」
のび太「大丈夫だよ、絶対に帰ってくる」
もう一度眩しい笑顔で笑う。
359 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/07(木) 19:02:42.36 ID:xSBPy5VB0
のび太「それじゃあ、いってくるよ」
ジャイアン「絶対倒してくるからな!」
須田「よーし、やってやるぜ!」
美耶子「恭也、頑張ろう」
ドラえもん「のび太君、皆、気をつけてね」
しずか「くれぐれも気をつけてね」
志村「こっちは任せろ」
美浜「私はまだ死ねないんだから、頑張ってよね!」
高遠「無理せず、危なくなったら戻ってきてもいいのよ」
それぞれ思い思いの言葉を交わし、決戦の地へ向かう。
のび太「じゃあ、行くよ!」
決意を込めた目を輝かせ、ガラスの先、いんふぇるのへと向かう。
最終決戦が、始まる。
第5章 危機、再会、決戦 終
360 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/07(木) 19:06:42.56 ID:xSBPy5VB0
ここで状態、道具の纏めをします
のび太:ショックガン、名刀”電光丸”所持
ドラえもん:ポケット不調
スネオ:ラジコン粘土所持
ジャイアン:石ころ帽子、バット、ボール
須田:血の契約済み、猟銃所持
美耶子:ケルブ既になし
志村:猟銃所持
美浜・高遠・恩田:所持物無し
第六章につづく…
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